2013年09月09日
母乳のススメ(2)
さて、前回母乳をお勧めする1つ目の理由に挙げた
「赤ちゃんにとってオーダーメイドの栄養源である」ことについて
詳しく見ていきたいと思います。
実は「母乳」と一言で言っても、その栄養成分は状況によって変化します。
母乳の内、出産後初めの数日間分泌される黄色っぽい母乳のことを「初乳」と呼び、
その後分泌の量が増えて白っぽい色になると「成乳」と呼びます。
初乳は成乳と比べて高タンパク質・低脂肪なのが特徴です。
人間の体内では一定の期間でタンパク質を分解・排泄してしまうため、
常に補充しつづけなくてはなりません。
生まれてすぐ、まだ少ししか量を飲めないときには高タンパク質の初乳を飲んで
タンパク質を優先して摂れるようになっているのだと考えられます。
それに対して、少しずつ飲む量が増えてくると、
大きくなるためにも脂肪や糖質の重要度が高くなっていきます。
そのため、初乳と成乳を比べると、成乳の方が脂肪や糖質の割合が増え、
カロリー量も増えていきます。
つまり母乳は、その時々の赤ちゃんに必要な、その子に適した栄養を提供しているのです。
さらに、早産で生まれた場合、予定日近くに生まれた場合よりも
初乳・成乳ともどの成分も濃い母乳が分泌されます!
早産で生まれる子は、飲める量も少なく体重も少ないことが多いので、
より多くの栄養を取る必要があるためでしょう。
時期だけではなく、生まれた時の状態まで含めて、その子に合わせたオーダーメイド
の栄養源である!ということが母乳のポイントです。
それにしても、そんなところまで配慮されているなんて…人の体って不思議で本当に面白いなぁ、と思っています。

出典:2012年周産期医学42巻増刊号「Q&Aで学ぶ お母さんと赤ちゃんの栄養」P123
=
by Kaori
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「赤ちゃんにとってオーダーメイドの栄養源である」ことについて
詳しく見ていきたいと思います。
実は「母乳」と一言で言っても、その栄養成分は状況によって変化します。
母乳の内、出産後初めの数日間分泌される黄色っぽい母乳のことを「初乳」と呼び、
その後分泌の量が増えて白っぽい色になると「成乳」と呼びます。
初乳は成乳と比べて高タンパク質・低脂肪なのが特徴です。
人間の体内では一定の期間でタンパク質を分解・排泄してしまうため、
常に補充しつづけなくてはなりません。
生まれてすぐ、まだ少ししか量を飲めないときには高タンパク質の初乳を飲んで
タンパク質を優先して摂れるようになっているのだと考えられます。
それに対して、少しずつ飲む量が増えてくると、
大きくなるためにも脂肪や糖質の重要度が高くなっていきます。
そのため、初乳と成乳を比べると、成乳の方が脂肪や糖質の割合が増え、
カロリー量も増えていきます。
つまり母乳は、その時々の赤ちゃんに必要な、その子に適した栄養を提供しているのです。
さらに、早産で生まれた場合、予定日近くに生まれた場合よりも
初乳・成乳ともどの成分も濃い母乳が分泌されます!
早産で生まれる子は、飲める量も少なく体重も少ないことが多いので、
より多くの栄養を取る必要があるためでしょう。
時期だけではなく、生まれた時の状態まで含めて、その子に合わせたオーダーメイド
の栄養源である!ということが母乳のポイントです。
それにしても、そんなところまで配慮されているなんて…人の体って不思議で本当に面白いなぁ、と思っています。

出典:2012年周産期医学42巻増刊号「Q&Aで学ぶ お母さんと赤ちゃんの栄養」P123
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2013年09月06日
母乳のススメ(1)
妊娠中、母乳育児をすすめられる機会って多いですよね。
先日、80年くらい前の助産師向け雑誌を調べていたら母乳育児の特集号がありました。
なぜか日露戦争で日本が勝った理由のひとつは母乳育児をしていたことだ!
とイギリスの先生が言っているという不思議な記事でしたが、
当時から日本で母乳育児が広く行われていたことは間違いなさそうです。
当時(昭和初期)それだけ母乳がすすめられた理由の一つは、
ミルクの品質が未だ良くなく、ミルクで育った子が明らかに栄養不足となっていたためです。
そのため、母乳が出ない場合薦められていたのは、
他の人の母乳を飲ませてもらう、もらい乳であったほどです。
現代の日本においては、ミルクの品質も良くなり、
清潔な水も手に入りやすく、ミルクで育てることによる問題はありません。
ミルクの品質が良くなったおかげで、本当は生きられなかった小さな子たちが
大きくなることができた事例もたくさんあります。
それでも、母乳育児をお勧めする理由はいくつかありますが、
その代表的なものを書き出してみると、
1. 赤ちゃんにとってオーダーメイドの栄養源である
2. お母さんの免疫を赤ちゃんにあげることができる
3. 赤ちゃんが将来肥満になりにくい
4. なんといっても経済的(消毒の手間・外出時の荷物が楽!)
5. お母さんの体にとってのメリット(子宮の戻りが良くなる・避妊になる・体重が減る!)
といったものがあります。
これから、それぞれ、詳しく説明していきたいと思います。
お楽しみに!
=
kaori
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先日、80年くらい前の助産師向け雑誌を調べていたら母乳育児の特集号がありました。
なぜか日露戦争で日本が勝った理由のひとつは母乳育児をしていたことだ!
とイギリスの先生が言っているという不思議な記事でしたが、
当時から日本で母乳育児が広く行われていたことは間違いなさそうです。
当時(昭和初期)それだけ母乳がすすめられた理由の一つは、
ミルクの品質が未だ良くなく、ミルクで育った子が明らかに栄養不足となっていたためです。
そのため、母乳が出ない場合薦められていたのは、
他の人の母乳を飲ませてもらう、もらい乳であったほどです。
現代の日本においては、ミルクの品質も良くなり、
清潔な水も手に入りやすく、ミルクで育てることによる問題はありません。
ミルクの品質が良くなったおかげで、本当は生きられなかった小さな子たちが
大きくなることができた事例もたくさんあります。
それでも、母乳育児をお勧めする理由はいくつかありますが、
その代表的なものを書き出してみると、
1. 赤ちゃんにとってオーダーメイドの栄養源である
2. お母さんの免疫を赤ちゃんにあげることができる
3. 赤ちゃんが将来肥満になりにくい
4. なんといっても経済的(消毒の手間・外出時の荷物が楽!)
5. お母さんの体にとってのメリット(子宮の戻りが良くなる・避妊になる・体重が減る!)
といったものがあります。
これから、それぞれ、詳しく説明していきたいと思います。
お楽しみに!
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2013年09月06日
ママと赤ちゃんの笑顔と健康のための集中講義をはじめます
女性は一生のうちに3回、心と身体におこる大きな変化を体験します。
一回目は思春期。
女性ホルモンの働きで身体も心も大きく変化して大人の女性になっていきます。
二回目は妊娠・出産・子育て期間。
妊娠や出産による心身のダメージや、役割の変化。
三回目は閉経周辺のいわゆる更年期。
これらの変化を上手に受け入れていくためには、まずは自分の心身をしっかり見つめ、
正しい知識で対処していくことが必要なんです。
そこで、このブログではBigマミーの大学の後輩で、助産師のkaoriさんに記事をお願いして、
変化を受け入れ乗り越えていくための正しい知識をお伝えしていきたいと思います。
by 菜桜助産所 堀田久美
一回目は思春期。
女性ホルモンの働きで身体も心も大きく変化して大人の女性になっていきます。
二回目は妊娠・出産・子育て期間。
妊娠や出産による心身のダメージや、役割の変化。
三回目は閉経周辺のいわゆる更年期。
これらの変化を上手に受け入れていくためには、まずは自分の心身をしっかり見つめ、
正しい知識で対処していくことが必要なんです。
そこで、このブログではBigマミーの大学の後輩で、助産師のkaoriさんに記事をお願いして、
変化を受け入れ乗り越えていくための正しい知識をお伝えしていきたいと思います。
by 菜桜助産所 堀田久美