みんながわかってくれると感じられる安心

こんにちは。訪問看護ステーション菜桜（以下、菜桜）の関です。
ママたちに菜桜の取り組みをお知らせしたい、今菜桜を必要としてくださるママに私たちがお手伝いできることを届けたい。
そんなスタッフみんなの想いに共感してくださる先輩ママの力をお借りして、体験談を紹介する企画を始めます。

【きっかけは、産後の生活への不安から】
今回は、訪問看護（以下、訪看）を利用した双子のママAさんの体験談を紹介します。
Aさんと菜桜の出会いは、妊娠中でした。
「双子を育てていけるのだろうかって、すごく不安だったんです」と話すAさん。
転入してきたため、両親の力を借りにくい。
近所のママが助けるよと言ってくれたけれど、頼り過ぎることはできない。
不安を軽くしようと、産前の管理入院中にいろんなことを調べる中で知ったのが、産後ケア事業(※1)でした。
そして、富士市のホームページで紹介されている菜桜にメッセージをくださったところから、繋がりが始まりました。

訪看の多くは、医師の指示のもとに行われます。
Aさん親子への訪問は、お子さんの体重が少なめだったことから始まりました。
訪看は、その名の通りご自宅へ訪問して看護を提供するサービスです。
いつものままで良いのですが、身の回りを整えておかなければと負担に感じるママもいるかもしれません。
Aさんも「うちはシンクで沐浴をしてもらっていたので、10:30に来るならそれまでにシンクだけでも片づけておかないといけないなとか考えました」とお話されていました。
同時に、「でも、それ以上に相談できるのが嬉しかった」と笑顔を見せてくれました。
代表の堀田から、「毎日人が来たり部屋を整えたりするのは疲れちゃうから、間を開けてメリハリをつけていきましょう」と言われたことが、気持ちを楽にしたそうです。

【伴走してくれる誰かがいること】
産後3か月頃に、不眠を感じるようになったAさん。
夜は授乳などで続けて眠れず、昼間も眠いはずなのに眠れなくなってしまいました。
以前うつを経験したことのあるAさん。産前の心配事の一つが、不眠から気持ちが不安定になることでした。
訪看を利用していたため、すぐにスタッフに相談できたことが嬉しかったそうです。
「こうなるのは、予想していたことだよ。この時期は、不眠になりやすいんだよ。特別なことじゃないよ」と声をかけられて、泣いちゃいましたと教えてくれました。
Aさんの心が健康を取り戻すまで、子どもの訪問期間が終わった後も継続して支援が受けられるように、メンタルクリニックを受診しました。
医師が必要と判断すると、自立支援医療(※2)を利用して訪看を受けることができます。
いつでもスタッフに相談できること、相談したらすぐに医療に繋がれたこと、それを夫や近所の人たちに話すことで協力してもらえたこと…みんながわかってくれると感じられたことで安心することができましたと、懐かしそうに話してくれました。

梅雨が始まる頃にふさぎ込みがちになっていったAさんの心は、梅雨の終わりと共に晴れていきました。
家事をしんどく感じることが減り、お昼寝ができるようになったときに「あ、自分元気になってきたじゃん」と気づいたそうです。

【菜桜の訪看を利用してみて】
菜桜のみなさんは、こうでなきゃだめよって言わないんです。
こういうやり方もあるよ、ああいうやり方もいいねって選択肢を広げてくれる。
いろんなやり方がある、いろんなやり方があっていいんだって思わせてくれる。
不安で視野が狭くなっているときにこうしなきゃいけないんだって言われたら、辛くなっちゃう。
いつもたわみがあるところがいいです。
若いスタッフさんも、お母さんみたいって思っちゃうくらい安心感があるんです。
訪看を利用した感想を尋ねると、こう答えてくれました。

【あの頃の自分、そして今あの頃を迎えているママへ】
最後に、あの頃を走ってきたご自身と、今走っているママたちにメッセージをいただきました。
・ご自身へ
よかったね。訪看さんに出会えてよかったね。
・ママたちへ
気軽に相談してみてください。
しんどくなくても、しんどくなる前に。
私は利用できないかなって諦めないで、こういう私も利用できますか？って聞いてみてください。
繋がれたら、みんなで考えてくれると思います。
産前に訪看に出会えたら、もっといいと思う。
みんなに、妊娠中に訪看の存在を知ってほしいです。

この春からお子さんたちは保育園に通い始め、Aさんも仕事を始めました。
一つひとつのエピソードに一喜一憂しながらお話してくださるAさんに、穏やかさと力強さを感じました。